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3. 携帯電話の進歩と技術

(1) 身近なしかし複雑なシステム
1)身近になっている携帯電話
携帯電話の進歩は1979年のアナログ方式の携帯電話が登場し、当初は自動車電話といわれていました。その後デジタル方式の第2世代(第一世代はアナログ方式)が登場し続いて技術の進化により多くのサービスを提供するようになりました。
技術の進歩や利用料の低減化もあり利用者はどんどん増えて、一人で2台以上保有することもあり、携帯電話の台数は増えていくばかりの状況です。 
平成27年で163,112,000契約があります。(出典:一般社団法人電気通信事業者協会)

ちなみに、第4世代(4G = IMT-Advanced)の次の2020年の東京オリンピック開催にあわせて5G(10Gバイトの超高速伝送が実現予定) のリリースが計画されています。

携帯電話はその後スマートフォンという小型コンピュータ化した電話が登場しました。 今までの携帯電話も高機能化を果たしており、フューチャーフォと呼ばれています。
スマートフォンはアップル社のiPhoneのヒットや汎用性の高いAndroid OS搭載モデルの登場で、その機能は通話から始まり、メールやメッセージ、ウェッブページの閲覧からSNSの利用さらに携帯用アプリが次々にでて、買い物をやったり、その決済も携帯で行ったりすることも可能であり、携帯用HTMLやJavaという言語の発展もありその機能は増えて行くばかりです。
また伝送速度の向上は操作ストレスを低減化させますのでそれらが相まってさらに利用者は増加しています。
現在利用されている携帯電話は、既に1億5千万台を超えており、MVNOやM2Mと言った使い方も増えており、全体としては増量の傾向にあります。

その利用比率は総務省のデータによると、世帯でみるとスマートフォンおよびPHSは95%の普及率で、そのうち64%がスマートフォンとなっており、その割合は年々増えている傾向にあります。

 

2)複雑なシステム
携帯電話の進化は、携帯電話装置の進化は無論、伝送路、基地局といわれる装置を構成する無線機器・ネットワーク機器、空間伝送路といわれる部分の主要装置であるアンテナの進化、さらにソフトウェアや機器の小型化、消費電力の低減化といった技術やサービスを統合して稼動しております。

利用者の要求は、最初の無線なのに電話番号押すだけで相手をつながる、話ができる機能でよかったのですが、インターネット(技術)の進歩を取り込むこともあり、非常に多くの機能を持つ事に成功しました。
しかし、この様な成果を達成するためには、複雑で大規模なシステムが必要です。
これは音声とデータの二つを伝送することができ、移動しながらも通信ができるということで、端末と制御機の緊密な連携が必要です。

音声の通話だけでも、いかに限られた資源(電波の周波数帯域)をいかに公平に(つまり多くの利用者が利用できる)、使いたいときに使える(少ない資源で多くの利用者が同時に使える)、相手の声が明瞭に聞こえ、自分の声が相手に十二分に理解できるようにノイズを抑える等々の条件が重なり、その為に単純な時分割多重技術では足りずに、軍事技術に転用した(というよりも優秀だから軍事技術化した)技術を利用して利用者の要求を満たしています。
また、持ち運びも重要な要因ですので、携帯電話は小型化しなければいけず、軽くするために特に電池の小型化や素材も電力の高密度化できるリチウム電池等の開発が必要でした。 また携帯電話は特にスマートフォンでは端末のデータ処理が多いのでCPUの高度化や高密度化、メモリーの進化など上げればたくさんある課題を克服してきたものです。

機能が上がれば操作も難易度が上がりますが、操作を直感的に行うとか、声で行うという工夫が随所に目立ちます。しかし、やはり多くのサービスを受けようとすると携帯通信機器の操作に習熟していると受けられるサービスが必要。いわゆるデジタルデバイド(利用に際して使いこなせないこと)が発生する可能性があります。

無線機器は市場にたくさんありますが、本書ではこの一番普及していると言える携帯電話について注目して説明を展開しております。なお、無線通信システムを考えるには、基本的にはサプライサイド、つまり携帯電話システムについて述べることが中心となります。 よって以下はシステム側の説明となります。

 

(2) システム構成と”世代”の内容
1)システム構成
アナログ通信方式の第1世代から開発が始まった携帯電話システムですが、無線部分と有線部分の合体したものです。 有線部分はコアネットワークと呼ばれます。 無線部分はビルや鉄塔にあるアンテナや無線機器が設置してある部分です。 コアネットワークは光ファイバーを含む有線が敷設してありますから見方を変えれば携帯電話は光ファイバーネットワーク端末といえなくもありません。
無線部分には、アンテナ、アンテナ台・塔、無線機器、無線制御、伝送回線等々からなります。
コアネットワークはさまざまな回線と中継機器が集まったものです。

アナログ方式から第二、第三の各世代に移っていっていますが、利用者の要求は、”いつでも、どこでも通信したい”というもので、この要望にこたえることで開発の進化がありました。
そして、電波特有の制限や特徴が有利に働いたり不利に働いたりするわけですが、電波は有限資源であることは確認しておく必要があります。

携帯電話は最初は音声の通信を目的としていましたから、基地局は音声伝送に最適化していましたが、データ通信に応じたサービスを提供するためにデータ通信の機能を取り入れ、その後データ通信のトラフィックが音声よりも多くなるという逆転現象が起こりました。

3.9Gまでの機器は音声用機器とデータ通信用機器が基地局に並存しています。
携帯電話から入ってきた信号はRNCという機器で分岐されて音声用回線網(回線交換網)とデータ用回線網(パケット交換網)にそれぞれがいきます。

 

携帯電話は現在では音声もデータも通信できる端末です。
下記の図は3.5Gのシステムです。

 

 

http://www.infraexpert.com/study/wireless46.html

なお、音声の回線交換方式は、交換機のシステムであり、交換機間でやり取りされる信号は共通線信号といわれ、有線のものと同じ技術(No.7共通線信号)を使っています。

・回線交換のイメージ


http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0005/22/news007_4.html

 

(1)パケット通信
データ通信は上の図にあるように、IP網をとおるパケット通信です。
パケット交換方式のイメージが以下のようです。

<<パケット交換網のイメージ>>


http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0005/22/news007_4.html

データを細切れにしてルータ等で構築のネットワークを通って相手につながります。

2)世代の概要

各世代で使われる技術をまとめると以下のようになります。


略語
PDC: Personal Digital Cellular, HSPA: High Speed Packet Access, LTE: Long Term Evolution
FDD: Frequency Division Duplex, FDMA: Frequency Division Multiple access
TDMA: Time Division Multiple Access, CDMA: Code Division Multiple Access
ODFMA: Orthogonal Frequency Division Multiple Access
FM: Frequency Modulation, BPSK: Binary phase shift keying, QPSK: Quadrature Phase Shift Keying
π/4-QPSK:π/4 Shift Quadrature Phase Shift Keying
QAM: Quadrature Amplitude Modulation

①通信方式
携帯基地局と携帯端末の間の通信方式のことです。

②アクセス方式
複数の通信チャンネルを同時運用する同時接続の方式のことです。

③複信方式
送信と受信を同時に行う方式です。

④データ変調
データ通信を行う場合のデータ変調方式の違いです。

⑤伝送速度
データ通信を行う場合の速度です。 第一世代は音声通信のみでした。

 

(3) 基地局の構造
下記図が携帯電話基地局の機器構成図です。
IMT-2000用の基地局の構成です。 NodeBといいます。

 

LTE用の基地局装置はeNodeBと呼ばれ、NodeBより構造は簡単になっています。
NodeBと違うのは、RNC(Radio Network Controller)という機械がないことです。

アンテナ
ビルの屋上や写真のような屋外型、狭いエリアをカバーする小型タイプもあります。


アンテナ(塔)例

このような無線局が平成29年7月時点で、21万局設置されています。

(4) デジタル位相変調
1) 携帯電話に使われる種類
先にデジタル変調の方式を見ましたが、その中で携帯電話の変調に多く使われるのは位相変調です。
デジタル位相変調にはBPSKやQPSK、8PSKなどがあります。BPSKはバイナリー位相シフト・キーイング(BPSK: Binary Phase Shift Keying、2相違相変調)と呼びます。QPSKは直交位相シフト・キーイング(QPSK: Quadrature Phase Shift Keying、4相違相変調)と呼びます。
いずれにせよ0と1に変換をするわけですが、アナログと違いデジタル変調独特の技術を使います。

情報を送信する最小単位をシンボルと読んでいます。 これは、位相がそれぞれ異なる状態を0と1とか、または00、01、10、11とか決める方法です。 
よって、1シンボルで1ビットを送るのがBPSKで、1シンボルで2ビット送るのがQPSKと言うわけです。 
そして単時間のビット伝送速度をシンボル速度といいます。

・BPSK

 

・QPSK

 

2) コンスタレーション
変調の波がどのような状態にあるかをみるのにもともと星座を表す、コンスタレーションと言う図式を使います。
コンスタレーションは情報を表すデジタル信号と搬送波位相、振幅との関係を図に表しております。下記は、1シンボル4ビットの16QAMを意味しています。 (4ビットでつまり2の4乗で16個あります。)

 

(5) 通信方式と変調技術
1)世代間をまたぐ”命題”
各通信方式は無線伝送区間と有線伝送路(無線で接続もある)の合体したもので、携帯電話の本質である、”移動する”に対応しなければなりません。 他の携帯電話で必須なことは、同時に接続できる携帯電話の数を増やす(多重化)こと、データ通信速度をなるべく上げる事も含まれます。
以上の視点から見ると、各世代間で大きく違うのは、第一世代から第2世代のアナログ方式からデジタル方式への変換と第2世代から第3世代の変化で出たCDMA方式への変換です。
第3世代は各国で共同の方式に使用としましたが、複数が存在しました。 なお、第三世代をIMT-2000とも言いますが、International mobile telecommunicationと言う意味で、2000年に作ろうという考えによる名づけでした。 結局は、5つあるうちでw-cdmaとcdma2000が代表的なものになりました。
さらにデジタルTVなどの開発で研究されていたOFDMAを取り込んだのが第4世代以降です。

2)変調方式と多重化(CDMAまでの進化)
アクセス方式はFDMAからTDMAそしてCDMAに進歩してきました。xxMAはmulti accessで多重接続であり、周波数、時間、コードの多重化でもって対応しています。
ちなみに第一世代では、周波数ごとにチャンネルを割り当てていましたので混信はおこりませんが、利用者一人にひとつの無線機器が基地局に必要で効率的には非常に悪いものです。 これでは利用者を増やすのは難しいです。

-1)周波数分割多重接続
一つの伝送路を複数の周波数帯域に分割し,それぞれの帯域に異なった通信路を割り当てる方式。音声ならばそれぞれの信号を4kHzの周波数帯域に分けてそれをまとめてひとつのものとしている。

-2)時分割多重接続
通信チャンネルと束ねるときに少しずつ時間をずらす方式。

-3)符号多元多重接続
第3世代から主に使われ始めましたが、それまでと大きく違う方式です。
特徴として高速データ通信が可能、いろいろな通信速度のチャンネルが混在できる、周波数の利用効率が高いというものがあります。
 
3) スペクトラムスプレッド
CDMAは2回変調をかけます。
一度目はBPSKとQPSKで変調をかけます。 BPSKが上り(端末から基地局へ)、QPSKが下り(基地局から端末へ、で利用します。
どちらも位相の変化で情報を伝えます。 情報は音声でもデータでもかまいません。
ここでは音声で説明します。
BPSKは0か1かの数値を位相に割り振ります。 QPSKは00、01、10、11の数値を位相に割り振ります。
情報を送信する最小単位をシンボルと呼びます。 よって、BPSKは1シンボルで2ビット、QPSKは1シンボルで4ビットおくれますので、QPSKのほうが効率よく情報が送れます。

ここで変調により音声の符号化ができました。 そしてCode Dividedをします。 このコードを拡散コードとよび、各通信に異なるコードをかけて個別性を損なわずに同じ電波で通信が行えます。 この掛け合わせをスペクトル拡散といいます。
拡散する数値が大きいほどスペクトルは大きくなります。

受信側は逆拡散コードを掛け合わせることで元の信号を取り出すことができます。
これらのコードは直交コードであり、CDMAでもうひとつ出てくるコード(スクランブリングコード)と区別するためにチャネライズコードと言います。 なお、拡散率は4~512の拡散率が指定できます。スクランブリングコードはチャネライズコードを補完するものであり、拡散で周波数帯域が非効率に広がるのを防ぐ工夫です。
上記は直接拡散方式と呼ばれ、拡散方式には他に周波数ホッピング方式というものもあり、スペクトラムスプレッドと呼ばれます。

4) スペクトラムとフーリエ変換
上記のスペクトラムとは、歪み波を構成するさまざまな周波数の正弦波の強さを表してもいます。
変調された波や自然界の波は、sin波やcos波の式で表すことができるということです。これをフーリエ級数またはフーリエ変換といいます。
復調のときはこの逆の逆フーリエ変換で元の信号を取り出します。

 

(6) パケット通信
音声以外のデータはパケット網でやり取りされます。
そのパケット通信は下記のような特徴を持っています。

1) 特徴
もともとパケット通信ではリアルタイム性は求められていませんでした。 しかし高速通信、データ誤り制御の特徴があります。
RNCは情報を送受信するときだけ通信チャンネルを割り振ります。 このように複数のユーザーで通信チャンネルを共用できるので周波数効率がよいといえます。
また送信を開始するには複数の端末から送信要求が出るわけですが、信号が衝突する可能性があるので、この為に送信パワーランピング(徐々に送信出力をあげて干渉を防ぐ)などを使っています。

2) 伝送速度
情報伝送速度は既に出た拡散コードが短いと速いので高速度の伝送が必要ならばコードを短くします。 ちなみにCDMAでは384kbpsの伝送速度が決まっています。
ただし、HSPAと呼ばれる技術を使えば約14Mbpsの速度が出ます。 これは変調の仕方がより工夫をして達成しました。

3)データ伝送誤り訂正とハンドオーバー
データの誤り訂正にはARQ(Adaptive Repeat reQuyest)というえらの起こった部分のみ再送する方式を使っています。
またデータの途切れをなくすために通信していなくてもハンドオーバーしています。
またTCP/IP上のネットワークを利用しますがパケットをさらに他のパケットでつつむカプセリングという方式を使います。(下記のSGSNとGGSN間の工夫)これをトンネリング方式といいます。

4)ネットワーク経路
次のような経路で携帯端末から信号がインターネット上の相手の端末に届きます。
無線基地局→RNC→SGSN→GGSN→ゲートウエイ→インターネットへ

RNC(Radio Network Controller:無線ネットワーク制御装置)
SGSN(Serving General Packet Radio Service Support Node: 加入者パケット交換機)
GGSN(Gateway General Packiet Service Support Node: 中継パケット交換機)

5)移動対策
 上記のあるようにパケット化に工夫をして通信がきれないようにしていますが、そもそものTCP/IPもWP-TCPという無線用に開発されたプロトコルで通信をします。 通常のTCP/IPとはプロキシーサーバが変換します。
またWP-TCPじゃウィンドウサイズが大きい、誤送付パケットだけ再送する機能(SACK)が特徴です。

(7) 位置検索とハンドオーバー
1)位置検索
携帯電話は通話したい人がどこにいるのかはわかりません。 そのために居場所を教える仕組みとそのデータベースが必要になります。
まずセルという基地局のカバーするエリアがあります。そしてセルをまとめたものを位置登録エリアといい、居場所を登録したホームメモリーというデータベースの場所の単位となっています。位置登録エリアの合計がサービスエリアとなり、電波が通じて通話ができる範囲となります。

なお、移動する携帯電話ですからサービスエリアのどこにいるかわかりません。 よって、まずは位置登録エリアごとの記録が残るので、そのエリアの基地局がすべてページングチャンネルを使って一斉呼び出しをします。 返答があった無線基地局経由で次の制御を開始して、最終的に通話チャンネルを開いて通話を開始します。

2)ハンドオーバー
携帯電話は移動するのが前提ですので通話中に移動して基地局のカバーが届かない場所に移動することがあります。しかし、これでは困りますので、ハンドオーバー(基地局を乗り換える)をします。
携帯電話は常にどこからの電波が強いかを判定しており、電波の強さが弱くなると移動方向にある基地局に今つないでいる基地局ともつないだまま、あたらしくつないでしまし、その接続ができると今までの接続をきります。この連続で通話を継続します。

(8) 同時接続について
1) 現在の電話システム
 携帯電話は現在は3G/3.5G/3.9Gと4Gが並存しています。
今後はAll IP(すべての通信がIP通信ベースになる)との指針よりすべてのトラフィックがIP網を通じて伝送するように統合がされます。

 現在の携帯電話システムでは基地局同士が光ケーブルやT1回線などさまざまな線で結ばれておりコアネットワークと呼ばれる網でむすばれております。 
 よって携帯電話子機は基地局とよばれる無線通信システム機器と通信をして他の携帯電話や固定電話と通話をおこなっています。

2) 同時接続数の算定
 一台の基地局でいくつの携帯電話子機が同時に接続できるかの明確な数字はキャリアの未公開情報のようであり、分かりにくいものです。そこで、推定値を得ることになりますが、以下のように調査しました。

 周波数帯域とチャンネル周波数幅並びに各変調から導き出す方法も考えられますが、かなり煩雑な計算となりますので、他の方法を考えたところ、コアネットワークを構成する基地局装置の仕様を確認すればよい事に辿り着きました。
 なお、伝送される対象は音声と各種データですが、データは音声チャンネル数に算定することが一般的ですので音声チャンネル表現です。

-chi1 eshikarazu 1) 基本の計算
 コアネットワークを構成するものでは初期から利用しているものは、T1つまり1.5Mbpsの伝送速度回線です。
携帯電話のチャンネル間隔は12.5kHzですので、T1回線で120チャンネル通せることになります。
T1で間に合う場所(人口密度が低い)ならばこの数値で間に合うこともあります。
いまでもこれしか同時接続できない場所もあるようです。

 ここで三菱電機の資料(http://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/giho/2004/02/pdf/0402103.pdf)をみると、W-CDMA用の基地局装置のチャンネル数は3,328という数値が出ています。
尚W-CDMA用の基地局装置はNodeBと呼ばれます。(下記にあるNECの資料では5,040という数値が出ております。)

 またLTE方式の携帯電話の基地局はeNodeBと呼ばれており、NECの資料(http://jpn.nec.com/techrep/journal/g15/n03/pdf/150320.pdf
をみると、eNodeBの制御機であるBDE(Base station Digital Equipment)が制御機能の諸元のうち、収容数値は144,000です。 

 

 

  
 上記の資料は発行年度に隔たりがあり、また3Gと4Gが接続されていますので、3Gがいくつ、4Gがいくつと断定できないですが、ハンドオーバーを考えると二つの基地局と接続しているだろうから、概算として7万程度の同時接続が考えられます。

 

2) 今後の技術的な展開
 近い将来で発展しそうなIoTを考える場合、無線的なアプローチでなくて、IP技術としての対応が要求され、必要なIPアドレスはIPv6が必須であり、そのIoTが304億個にもなろうかと予測されています。(アメリカのマーケティング会社であるIHS Technology社の推計、総務省もこの数字を利用)
IPV6対応は総務省から各キャリアへ要望が既になされておりキャリア側も了解しております。

 これは第5世代携帯電話で実現するようですが、無線技術もこの要望にしたがって新しい開発が行われると考えられます。高速度の注力していた開発が同時接続という課題が重要になります。
 
 このようになると、All IPでIPV6技術と新しい無線技術を使うとなると、”輻輳”という状況はなくなる可能性が考えられます。

(9) 全体のまとめ
音声とデータを通信できることをまとめた図です。