第2章 VoIPシステム機器技術


2.2.IP-GW

2.2.1. VoIPゲートウェイ概要
VoIPゲートウェイとは、ゲートウェイの一種であり、従来の製品やシステムとIP電話機器もしくはシステムと接続するもの。 ゲートウェイはそもそも異なるインターフェースやアーキテクチャを相互変換し、接続するものである。

 

ゲートウェイの種類として、レジデンシャルゲートウェイとトランキングゲートウェイ((TGW)に分かれる。レジデンシャルゲートウェイ(RGW)はCPEゲートウェイともいう。 CPE(Customer Premise Equipment) これは、電話機、PBXと接続する。TGWには、メディアゲートウェイ、シグナリングゲートウェイ、メディアアクセスコントローラーがあり、公衆電話網との相互接続に使われる。

 

MGWは音声信号の変換を行う。
SGは、公衆電話網で使われる交換機間の制御信号を終端し、公衆電話網とIP網で制御信号を中継する。
MGCは、MGWとSGへの権利と制御を行い、交換機との呼制御を行う。

2.2.2. VoIPゲートウェイの仕組み

 

2.2.3. RGWのインターフェースと接続

ゲートウェイと網側、PBX側との接続は数種類ある。

・FXS (Foreign Exchange Station)
・FXO (Foreign Exchange Office)
・COT (Central Office Trunk)
・OD (Outband Dialing), E&Mグループ5
・BRI (Basic Rate Interface)
・PRI (Primary Rate Interface)
・TTC-2M RI (Telecommunication Technology Committee - 2 Mega )

2.2.3.1 FXS
[IP]==[FSX]==[COT(PBXトランク)]==[POTS]
[IP]==[FSX]==[KS]==[POTS]
[IP]==[FSX]==POTS, FAX

・ 電話機などからみてGWは交換機
・ PBXを持たない小規模事業所向き
・ アナログインターフェース
・ 電話機からFXSは交換機として認識される。 その為、FXS配下にKSを利用して複数の電話機が接続されている場合、GWからは1台の電話機に見えるため、電話番号でここの電話機を識別できない。

※ Key-System
交換機からの電話回線を回線数よりも多い数の電話機で共用するための装置。 交換機能はない。
KSに着信があると、つながっている全ての電話機が鳴る。


2.2.3.2. FXO
[IP]==[FXO]=2W=[SLC]=[公衆回線網]==[キャリア交換機]
[IP]==[FXO]=2W=[PBX]==[POTS, FAX]

・ PBXやキャリアの交換機からは、FXOのポートは1台の電話機に見える。
・ アナログインターフェース

※FXOの接続のしかた。
@ 公専公
A 内線延長


[TEL] [TEL]
||=====[PSTN/ISDN]=====||
[FXO] [FXO]
||=========[IP]=========||


[TEL]==[PSTN]==[FXO]=[IP]==[FXS]==[COT]==[PBX]==[BIZ TEL]


2.2.3.3. OD
従来OD専用線に接続していたインターフェースをVoIPゲートウェイに繋ぎ直すだけで現状の電話番号を変えずにIP網に接続可能。

[IP]=4W=[OD]==[ODトランク(PBXトランク)]
・音声帯域内にPBXの呼出/応答信号/ダイヤル信号の帯域外信号を割り当て、通信する4線式のアナログ専用インターフェース。 主に国内でPBXの接続に使われている。


※インバンド:300-3400KHz, アウトバンド:10-300, 3400-4000Hz

2.2.3.4 E&M
・ PBX〜PBX、交換機〜交換機間のインターフェース
・ 内線10〜20回線までの中規模事業所向け
・ 北米仕様のPBX間の接続に使われる。
・ Type 1, 2等の仕様もある。


2.2.3.4. TTC-2M

[TTC-2M]=4W=[TTC-2M(PBXトランク)]==[POTS]/[FAX]

・ PCM音声、64kbpsの30チャンネル
・ 2.048Mbpsの帯域
・ シグナリング方式はCASまたはCSS
・ 内線の多い事業所向き
・ 日本独自
・ もともとOD回線をデジタルして時分割化した規格。 主にPBXとTDMを結ぶ。

(仕様)
・ 符号方式: CMI信号
・ 出力振幅: 3Vp-p
・ D符号デューティー:50%
・ インピーダンス:公称100Ω平衡
・ 伝送速度:2.408Mbpsフレーム構成
・ ケーブル条件:PCM局内ケーブルまたはACバスケーブル10.48パイまたは0.5パイを2対


2.2.3.5. BRI
[IP]==[BRI]=4W=[DSU]=2W=[ISDN}

2B+D (144kbps)
B: 64kbps
D: 16kbps

2.2.3.6. PRI
[IP]==[PRI]=4W=[DSU]=Fiber=[SDN]

23B+D
1.544Mbps


2.2.4. 網側のサービスの利用の可否

*表2-01*


2.2.4. レベルの調整

音声チューニングがゲートウェイを設置するさいに、PBXに音声レベルが必要なことがある。

2.2.4.1. アナログ電話機と電話局、デジタル電話のレベル

-1. アナログとアナログPBX

回線の伝送損失(L)
[アナログ電話機]=================[電話局]
-15dBm+L -15dBm
出力レベル 入力レベル

-2. デジタルとデジタルの接続
0dBロス
[デジタル]======================[デジタル]



-3 アナログとデジタルの接続

[アナログ]======================[デジタル]
→(0〜1dBロス)

[デジタル]======================[アナログ]
→(8〜9dBロス)

@
[電話機]===[PSTN<FXO>]===[GW:要調整@]===[IP網]===[GW<FXO>:要調整A]===[FXO]===[PBX/要調整B]===[電話機]

*電話機からは-15dBm、800Hzトーン
*調整B:PBXの調整は、-23dBm〜-30dBm

A
[電話機A]===[PSTN]===[GW<FXS>]===[IP網]===[GW<FXS>:要調整C]===[FXS/要調整]===[電話機]

*電話機Aからは-15dBm、800Hzトーン
*調整C:FXSの調整は、出力減衰0dB、入力8dB

※ NTTなどの公衆網では、受話者の受信レベルが、-12dB 〜 -18dB程度に設定されている。 (この数値が一番聞きやすいらしい)

2.2.4.2. 各種接続の場合

 


NTTのPSTNでエンドエンドで最悪25dB、平均15dB〜17dB





2.2.4.   網側サービスの利用の可否




2.2.4. 番号計画
番号計画には、開番号、閉番号がある。
PBXのつなぎ方で、GWやPBXを音声通話システムの一つの単体とし、構成物として考えるかどうかということ。

開番号
「専用線補足番号」+「相手PBX局番」+「相手内線番号」

閉番号
拠点間のPBXの内線をあたかも自拠点の内線のようにし、「相手先内線番号」のみでダイヤルする方式。 内線番号の重複は不可。









Opening
   Copy Rights 2006 Hishou Techno Com All rights reserved