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第1章 VoIP技術


1.6 MGCP、Megaco

1.6.1 MGCP (Media Gateway Control Protocol)
MGCPとは、1999年10月、既存の公衆電話網を、IPネットワークを利用した通話網と接続したり、IPネットワークによる大規模な通話網を構築したりすることを目的として、IETFによって策定されたプロトコルである。 RFC2705 (informational)  メディアゲートウェイ系制御プロトコルであり、この点ではMegacoと同じである。 ただし、STM回線のみに対応し、ポイントツーポイントのみの接続である。

一般電話網とのNNI接続(網間接続)のためにはコンポーネントとしてSG(Signaling Gateway)、MG(Media Gateway)、MGC(Media Gateway Controller)が必要になるが、網間接続しない場合はSGは不要になる。SG、MG、MGCの機能を集約して、Call Agent(CA)と呼ばれることもある。MGCPは一般電話網との接続手順に主眼を置いて策定されたものだが、GW以外にもIP電話機にも採用例がある。


1.6.2 Megaco/H.248 (MEdia GAteway Control Protocol
(1) 概要
IETF規定 RFC3015
MGCPをベースに、STM(Synchronous Transfer Mode)回線以外を収容した形態にも対応できるようにするなど汎用化したものがMegaco/H.248である。 よって、STM以外の任意のメディアも可能とし、ポイント・マルチポイント形式の形態や複数の参加者の制御も可能とする汎用的な表中としてIETFとITU-T SG16が標準化したもの。 この汎用化により、MG制御系プロトコル適用箇所にも利用できる。 それ以外にも、音声応答装置(IVR: Interactive Voice Response)の制御に利用できたり、ファイアーウォール透過を制御する手段になりえたりする。

IETFとITU-Tが共同して作成したが、ITU-Tが維持管理している。
H.248.1: プロトコルと基本部分規定
H.248.2: 拡張仕様

※STM
 1本の回線を複数の論理回線(チャネル)に分割して同時に通信を行なう多重化方式の一つで、回線を利用するチャネルを125マイクロ秒(1/8000秒)ごとに順番に切り替えて送受信を行なう方式。
時分割多重(TDM)方式の一種で、通信速度(転送レート)が固定化されたネットワークで使われる方式である。 伝統的な通信サービスである(アナログ)電話回線やISDN回線、DDX網などがSTMを利用している。

(2) Megacoの中味
・ ターミネーション: 
MGにおけるストリームの出口。複数のプロパティーで表現される。
物理ターミネーション、短命ターミネーション、ルートターミネーション

・ コンテキスト:
MG内の複数のターミネーション間の関連付けを表わす。 (空のコンテキストは存在しない。)

・ ヌル手コンテキスト
他のターミネーションと関連付けされていないターミネーションが存在する特殊なコンテキスト。

-1) MGを制御するコマンド: テキスト形式(ABNF、 RFC2234) ABNF: Augmented Backus-Naur Form)
バイナリ形式 (ANSI.1, X.690/ITU-T) ANSI: Abstract Syntax Nation One)

-2) 呼制御
イベントとシグナルの組み合わせ

-3) コマンド
Add MGC → MG
Modify MGC → MG
Subtract MGC → MG
Move MGC → MG
Notify MG → MGC
Audit Capability MGC → MG
Service Change MGC → MG, MG → MGC




※ 各プロトコルの特徴






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