1.1
VoIP概要
1.1.1 VoPとVoIP
VoIPはVoP(Voice
over Packet)の仲間である、パケット通信フォーマットはヘッダー部と情報部からなるものである。
パケット交換技術を使った電話サービスの特徴として、
@回線共通
A通信品質安定のために技術必要
が上げられ、回線交換技術を使った電話サービスの特徴としては、
@回線占有(よつて、累進的な課金が必要)
A通話品質安定
が考えられる。
そもそもVoIPネットワークとは、RTPとRTCPを使ったVoIPネットワークを介するオーディオの伝送を行うものである。
そこで運ばれる音声のパケットは、ヘッダーとペイロードで構成され、そのヘッダーはRTPが20バイト、RTCPが8バイト、IPパケットヘッダが12バイト合計40バイトで構成されている。
尚、IPを使っての通信であるから、PDU(Protocol data unit)の一つである。
(PDU内、レイヤー2がフレーム、レイヤー3がパケットである。 以上より、イーサネット、PPP,HDLC全てフレームと呼ぶことになる。)
分類
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名称
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ヘッダ部
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情報部
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通信チャンネル
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IP
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パケット
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20バイト
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46〜1500バイト
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コネクションレス
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ATM
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セル
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5バイト
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48バイト
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VC
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フレームリレー
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フレーム
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6バイト
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DLCI
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1.1.2. VoIPの歴史
IP電話(またはインターネット電話)の歴史というと、IP電話の機器、ソフトウェア、サービスのそれぞれであるが、1995年のイスラエルのVocal Tech
Communication社が発売した"Internet
Phone"というソフトウェア(PC上で稼動する)であろう。
この技術(つまりVoIP技術、インターネットはIP網)を使って当初アメリカの中長距離通信事業者が”中抜き”でキャリアの電話回線を使わずにインターネットを使ってサービスをし、コスト削減か値段の下落による入金対象の回線数やトラフィック量の増大を狙った。
一方わが国では現在は多くのキャリアやISP、VoP機器ベンダー等がIP電話サービスを行っている活況を呈している。 しかし、顧客の本音のところの意見としては、まだ信頼性に劣るようである。
以下はIP電話についてのトピックスである。
1961年:
Leonard Kleinrockが"Information
Flow in Large nets"発表。 これはパケット交換技術についてのもの。 VoPだからパケット交換技術がないと出来ない。
1964年:
Paul Baranが "On Distributed Communications"と、パケット交換技術で音声通信をするアイディア登場
1969年:
ARPANETが誕生
1973年:
RFC741が発表
"SPECIFICATIONS FOR THE NETWORK VOICE PROTOCOL (NVP)"
***以上のようにアイディア、環境の芽生えは在ったが、メモリー技術やCPUの速度の問題等があり、キャリアやメーカーは取り組まず。***
1980年前半:
Ethernet発明のXerox者のPalo Alto Research
Centerで”Etherphone
System"が開発 但し、製品開発には至らず
1980年後半:
ATMやフレームリレーに関する技術開発を開始。
1994年:
公衆フレームリレーサービス開始
1995年:
Vocal Tech
Communications社Internet Phone開発
1996年:
マイクロソフト社がNetMeetingを無償配布開始
1997年:
ATMメガリンクサービス開始、 VoFR, VoATMも実現化
1.1.3. VoIPと音声・データ統合技術
音声とデータの統合という観点から見ると、VoIPやVoFR・VoIPの前に時分割多重方式で既に実現しており、TDMに代表される時分割多重方式とVoIP等の統計多重方式のふたつがある。
この二つの方式の違いは、帯域を固定的に用いるか用いないかで区分ができ、パーストトラフィックを用いられないが良好な音質が望まれる時分割多重方式と、パーストトラフィックを扱えるが音質維持の為には工夫がいる統計多重方式の違いがある。
1.1.4. VoIPの特徴
VoIPの特徴としてシステムに与える具体的な効果として以下のものが考えられる。
@電話専用回線が不要になる
Aレイアウト変更しても電話番号が変わらない。
B電話代が大幅削減
C社外から社内電話として使用できる
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